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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.





抜けようとしても
どうしたって抜けられない。
力じゃ敵わない。
それも、口惜しくてたまらない。


私がどんな思いで…。

今までの生活を捨てて
前に進んだつもりでいた。
なのに、きっと間違っていたんだ。
それをこの人にぶつけたりして
そんなのだだの八つ当たりだ。

私は唇を噛み締めて涙を堪えた。
落ち着かなきゃダメだ。
そうだ。
正に、甘えている証拠じゃないか。
このままじゃ
何を言われても文句は言えない。

「………申し訳ありません。
未熟者の気の乱れだとお見逃し下さい」

暴れるのも止め、
無理やり震える声を抑えた。

「やめろ」

おとなしくなったのを好機だと思ったのか
腕の力を緩め
片手を私の頬に添える。

「泣ける場所が何処にもねぇんだろ。
俺が、お前の居場所になってやるから、
戻って来いよ」

甘い囁き。
でもそんな手に乗る私じゃない。

「泣いたりしませんから
場所なんか要りません」

「ならそれでもいいから来い」

「…まだ仰るんですか」

「他人行儀にするな」

「他人です」

「淋しいこと言うなよ…
俺のとこは居心地よかったろ?
だから、逃げたな…?」

「……」

それは、否めない。

確かに居心地がよかった。
このままじゃ離れられなくなると
怖くなったのは事実。
でもそれは、私が今までずっと
1人でやって来たからであって、
一緒にいてくれる人が
この人だったからでは決してない。

絶対に違う。


「もう離して下さい。目障りなら消えます。
音柱様の視界には入らないようにしますから」

「よくもそんな当て付けみてぇな事が言えるな」

…当て付け。
確かに。

だけどこの人が
私の事を好きだなんていう確証は
何処にもない。

「今どこにいるんだ」

「…さっき言いました。ここです」

「……蝶屋敷?」

「はい。ご厄介になっています」

「そうやってちゃんと言えよ!
躱されたと思ったじゃねぇか」

頬にあった手がスルリと回され
頭を抱え込まれた。

…離せって言ってるのに。

「蝶屋敷なんかより、
俺んとこの方がいいだろう?
もう全部わかってる。
過ごしやすいに決まってるよな?」

「…戻りません」



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