第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.
「みぃつけたぁー」
仲間たちと別れ、
手に持ったほうきを片付けに、
庭木に埋もれるようにして設置されている
用具庫の戸を開けた瞬間、
おどろおどろしい声が
背中に覆い被さって来た。
「ぅあぁ…ッ」
あまりの驚きに声を上げたのも束の間、
そのまま狭い用具庫の中に押し込められ
ピシャリと戸を閉められてしまう。
同時に閉ざされる視界。
ここまで完璧に陽光を遮る事ができるものかと
感心せざるを得ない。
…こんな状況だというのにだ。
大きな手に口元を覆われて
さっきの悲鳴は行き場を失った。
何処を見ても闇なのに、
コレが誰なのかという事は
はっきりとわかる。
しかも、お怒り気味…
当然だ。
「睦、お前今どこにいる」
「……」
「おい、答えねぇか」
「おおいいあう」
答えました。
「………」
どうやらその事に気がついたらしく、
私の口からパッと手を離した。
そうです。
あのままでは喋れないのです。
自由になった私は、
「ここにいます」
改めてその言葉を口にした。
途端に両頬をぎゅうっとつねられ
「バカにしてんのかお前、
俺様をナメるとどうなるか教えてやろうか」
怒りを抑えたような声を上げる。
「いたいたいたいたい!」
ほっぺた潰れる!
私はその手の甲をぺちぺちと叩いた。
次の瞬間、ふと力が抜かれて
スルリと頬を撫で上げられ
こめかみあたりに熱い吐息がかかる…
…っまた‼︎
「音柱様…っ」
私は1本下がろうとして
ここが狭い用具庫の中であった事を思い出す。
視界がきかない程の暗闇だから
見えはしないけれど、
互いの前身がくっつくくらい接近していた。
近いんだって…!
「やめてくださいって…!」
「いやだね。何で勝手に出てった。
どんだけ心配したと思ってる」
「そろそろ訓練を始めなければ
もう元に戻れなくなります!」
「まだ早ぇ。
今の睦にゃ何も出来ねぇだろ」