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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.






何にせよ、
手のひらを返したような
この優しさが
ひどく居心地悪かった。

狙いはなんだと、
そんな事を勘繰ってしまう。


「おい?」

握った手を自分の方に引き寄せ
呆けた私の気を戻させた。

「…っいた、」

…あ、

「悪ィ、…!」

手を離すまでは至らなかったけれど
そっと引き戻された右の腕。
私はそれを凝視めていた。

いたい…

まだ、痛む…。

「睦、」

音柱様は私の名を呼んでから

「これ、どうだ?」

よくわからない事を言う。

「…どう、って?」

私はわけがわからなくて
目を彷徨わせて辺りを窺った。

何か変わったことでもあるだろうか…?


「いや、やっぱ後にしよう。
悪かったな、急に引っ張ったりして。
まだ傷が引き攣るよな」

何も変化を見つけられていないというのに
突然打ち切られ、
私の腕をそっと布団の中に戻してくれた。

「…で、なんだって?」

ぽんと布団をひと叩きして
私の顔を覗き込む。
……覚えていたか。

「なにもありません」

私は精一杯
平静を装って澄まし顔を決めるのに

「俺を引き止めたろ。なんだった?」

まったく効果なしだ。

…さっき、この人の袖を引いてしまった。
その事を言っているのだろう。

行ってしまうと思ったら、
咄嗟にそんな行動をとっていた。
ただ行ってほしくなかったんだと
簡単に言ってしまえる程の素直さは
私にはない。

「申し上げたい事があったのですが
忘れてしまいました。ごめんなさい」

何でもないと言い張るよりも
そう伝えた方が自然だろうと考えての
発言だったのだけど……

「あぁ…そっか、」

低いのに、どこか楽しそうな声を響かせて
布団の縁まで腰を寄せると、
音柱様は私の顔の両脇に高く手を突き

「野暮なこと、訊いちまったな…」

私を見下ろしながら
ニヤリと妖しい笑みを浮かべた。

「え……?」

野暮?

首を傾げる私をよそに音柱様は
腕を折り肘を突いた。


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