第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.
それを返すように
こちらからも擦り付けると
「…猫みてぇだな」
負けじと擦り付けて来て…
いつまででもこんな事してられるって
いつか先生が言ってたけど、
今ならそれ、わかるかも。
相変わらず距離は近い。
でももう、戸惑いはなくなっていた。
慣れもあるかもしれない。
でもそれだけではなくて、私が気を許したのだ。
人に触れられるのだけでなく、
動物にだってイヤだったはずの私が
まさかこんな短期間で
こんな事になるなんて思いもしなかった…
自分で自分の変化に驚いている。
「ほんとに猫ならよかったな…」
「んぁ?なんでよ?」
「ずっとこうしてられるでしょ?」
「ヘェ……」
先生は意外そうにしてから、
「いいこと教えてやろうか」
そのままの口調で続ける。
なんだろうと顔を上げると
そこには、眩しそうに目を細めた先生。
「猫じゃなくても、
『ずっとこうして』てもいいんだよ」
抱え込んだ腕が、強く締まる。
先生の中の『好き』が溢れた証拠…。
ちょっとずつだけど、
この人の行動が
私にもわかるようになってきた気がする…
気がする程度だけど。
「睦だったらいくらでも
こうして相手してやる」
ちゅ、と
限りなく耳に近い頬にキスを繰り返されて
だんだんと背筋の辺りがムズムズし始めた。
「…先生、くすぐったい」
「へぇ」
……へぇ、って。
それだけかい。
やめる気はないの。
「くすぐったいんだって…」
わざと掠める程度に触れてくる先生の胸を
指先で押しやった。
「やめろとは言われてねぇし」
また屁理屈を…。
「くすぐったいから、やめて」
仕方なくちゃんと言い直したというのに、
「いやだ」
即答されて
私は二の句も継げなくなりそうだった。
「なにそれ!言ってること違う!」
私が声を荒げると
少しだけ聞く気になってくれたようで、
ふと距離を取ってくれる。
「理屈じゃねぇワケよ」
そして
もっともらしい事を言ってのけた。
先生が理屈を語るのか…。
「でもやめてって…言ったよ?」
「俺はやめたくねぇの」
…私の言い分は通らないと?