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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第44章 .☆.。.:.夏色.。.:*・°☆.





あいつが選んだハコフグの
ボールチェーンを指に引っ掛けつつ
付箋をポケットに突っ込んで
キャンバスを手に取ると、

逸る心を無理やり押さえつけ

ゆっくり教室まで戻るのだった。



で。

戻ったはいいのだが。

窓辺に寄って、
登校する生徒たちの中に
睦を探した。

いつも少し早めに来る事を知っていた。
それなのに、ピークを過ぎても
その姿を見つける事が出来なかった。

でも、

その時に気がついたのだ…

あいつ、もう来てるだろって事に。

だって、
でなきゃあのイーゼルに
このハコフグを引っ掛けたのは
一体いつだったのかって。

金曜の放課後には
そんな事していなかった。
一緒にいたのだから断言できる。

土日は生徒は入れねぇ。

て事はだ。
今朝、俺よりも早くにここへ来て、
この黄色いのと付箋をくっつけたんだろう。
それしかねぇ。

でも教室に姿はねぇし、
保健室のベッドにもいなかった。
屋上にも、別棟の特別教室にもだ。

……おかしいだろ。

…………

「不死川くぅん?」

俺は不死川の前…
つまり睦の席にどかっと座った。

「んだァ、気味悪ィなァ」

頬杖を突いて
窓の外を眺めていた不死川に声を掛けると
即座にそんな事を言われ…

「ひでぇな。もっとあんだろ言い方」

「ねえよ、」

「はいはい、そーですか」

不死川は何か言いたそうにしながら
再び窓の外に目を向けた。

「…あのよ、」

「知らねえよォ」

訊くより先に答えられ、

「何がよ、」

無意識に声を落とす。

「何だろうなァ」

しかし、向こうも引く気はないらしい。

「何を訊きてぇのか、わかってんだろ」

「だから知らねえってェ」

「俺が悪かった。わかってんだよ」

「謝った所で、あいつは来ねえぞォ」

「……やっぱわかってんじゃん」

「さぁな」

「…不死川くぅん、」

「黙れ、やめろそれェ!」

ようやくこちらを向いた不死川は、
大きなため息をついた。

…あれ?

「…何のため息?」

「てめえはマヌケだなァ、のため息だァ」


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