第20章 柱稽古とお館様
技の使用も許されない、正しく無限打ち込み。
背後を取られないよう細心の注意を払いながら、前方と左右から次々と打ち下ろされる剣士たちの木刀を避けては流し、悪いとは思ったが何人かは立ち上がることが出来ないよう鳩尾に突きをいれさせてもらった。
だが更紗の目的はただ打ちのめすのではなく、点々と地面にひれ伏す剣士たちの位置を正確に把握し治癒を施すこと……
つまり気絶させてばかりでは意味がない。
柱2人に木刀で打たれて悶絶している剣士たちの傷を治し、再び立ち上がれるようにしてやる。
「あの!キリがないのですが!いつまで続けるのでしょう?!」
それは剣士たちも思っている事だ。
せっかく怪我をして蹲って休憩出来たかと思えば即座に怪我が治され、柱たちの鋭い視線に耐えきれず立ち上がって稽古を強制される。
「音を上げるのはまだ早ぇぞ!全員の体力が尽きて立ち上がれなくなるまでだからなァ!」
「更紗も話せる余裕があるではないか!あと半刻ほどは最低でも続けるぞ!気合いを入れろ!」
更紗だけでなく剣士全員の顔が引き攣った。
しかも更紗の場合、体力だけでなく気力も削られ続けるので既に疲労が顔を見せている。