第79章 家族の形$
「それにしても……伊黒さんも大概ですね……」
「大事にしてくれてるのは分かるんだけどねー」
甘露寺が机に突っ伏する。
伊黒は優しい。
照れくさいけれど、夫婦になったからには名前で呼び合いたいし、接吻以上のこともしたい。
今まで命懸けの戦いをしてきて、自分の幸福など二の次だった蜜璃が隣りにいて心が安らぐ殿方という条件を満たしていたのが伊黒だった。
私には勿体ない出来た旦那様なのである。
皆は彼のことをあまり良く言わないけれど、彼が厳しいだけではないことも、穏やかな目をして笑う姿も蜜璃は知っている。
だからこそ、二人で幸せになりたい。
沢山話して、沢山……
やりたいことも、伝えたいことも沢山ある。
だから……