第78章 燃ゆる想いを$(冨岡裏)
女性陣が温泉へ向かっていく中、冨岡は宇髄に赤ん坊の沐浴の仕方を見せてもらう。
「まずは盥(たらい)に湯をはる。温度は赤ん坊の体温より少し温(ぬる)めに調整してやること。赤ん坊が火傷しないようにな」
「なるほど」
冨岡も湯に触れて温度を確かめる。
「んで、近くに手ぬぐいと石鹸、体を拭く用にももう一枚タオルを用意する」
「タオル?」
「舶来品だが便利だぞ。赤ん坊の肌に優しいって雛鶴が言ってたしな」
「そうなのか」
「ま、それはせておき。まずは赤ん坊の肌着を脱がせる。それから左腕で赤ん坊を支えて、右腕で体を洗ってやるんだ。耳に水が入らないように塞いでやるのも忘れるなよ」
「おい、そんなに一気に言うな」
「やること多いんだから、仕方ないだろ」
宇髄が慣れた手つきで赤ん坊に湯をかける。
「少しづつ、湯をかけてやって、手ぬぐいで優しく擦ってやるといい。たまに気持ちいいのか欠伸するんだぜ」
そういう宇髄の目元がとても優しくて、ああこれが親の顔というものなのかと冨岡は感じた。