第76章 契りて繋がる縁たち$(冨岡裏)
「祝言、ですか……」
「お前、柱だろう。聞かされていなかったのか?」
「特には……あ、明日の柱合会議がその話題かと……」
いつになく肩を落とす杏寿郎の頭を優しく撫でてやる。
こういうのは何年振りだろうか。
「杏寿郎。何も藤姫だけが女ではない。相手は追追見つかるものだ。そう気を落とすな」
がばっと詰め寄られて、その迫力に槇寿郎もたじろいでしまう。
「父上。母上とはどうだったんですか!?」
「っ、あれとは見合いだ……だが、俺が瑠火に一目惚れをした……もう、いいだろう……!」
杏寿郎は笑う。
父とこんな風に話すのは何年ぶりだろうか。
今俺が生きているのも、父に前を向かせてくれたのも、総て白藤のお陰だ。
俺は、彼女に沢山のものを貰った。
だからこそ、彼女の幸せを心から願おう。
ありがとう、幸せに……