第76章 契りて繋がる縁たち$(冨岡裏)
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煉獄の屋敷。
槇寿郎は最終決戦の際に奮起し、再び戦いに身を投じた一人だ。
あれ以降戦いは無くとも鍛錬だけは欠かすまいと肝に銘じて、酒の回数を減らしていた。
道場から井戸へ向かおうと顔を出した時に飛来した使者に目を瞬かせる。
「白い風切羽……」
「クルル……」
「お前が来るのは久々だな、魅影」
槇寿郎は慣れた手つきで魅影を手に乗せる。
本来猛禽類である梟は厚い手袋を履かねば手が傷付くとされているが、魅影は力加減をしてくれるため肌に然程負担がかからない。
賢い梟だ。
「今日は何用だ?」
槇寿郎は魅影の足首から文を外す。
「祝言。藤姫の奴、本気か?……いや、あの青年なら……だが、そうか……不治の姫も人に戻るのか……」
喜ばしい様な複雑な顔をしていると、母屋から杏寿郎が顔を出した。
「父上、珍しい鳥を乗せていますね」
「魅影だ。藤姫の祝言の知らせを運んできた」