第72章 乞い願う、光を求めて
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乱れた身なりを整えたくて、白藤は右京沿いのあばら家に入った。
せめて、見た目だけでも良くしなくては。
お兄様に余計な心配をかけてしまう。
比較的、新しい家屋だったため、鏡台があった。
前の家主が使って居たのだろう。
一度、髪を解いて、鏡を見つめる。
泣き腫らした目元と白い髪が、より一層白藤の心を深く抉る。
酷い也だ。
まるで、鬼女の様な見た目に辟易していた時。
ガタガタと物音がした。
「金目のものが無いか、探せ!」
物盗りが入ったのだ。
逃げなければ……
白藤が視線を感じて振り返ると、その場にいた物盗りは悲鳴を上げて出ていった。
「鬼女が出た!」
そう、叫んでいた。