第70章 咲くは朱なれど散るは白
「あのままじゃ、誰かが白藤を殺すことになる。お前が呼びかければなんとかなるかもしれねぇ……」
「………俺に」
俺には、そんな価値など無い。
「なぁ、冨岡。今動かなかったら絶対後悔するぞ!!」
『今動かなかったら、後で絶対後悔するんだ!!』
そう言って親友は最終選別の日にこの世を去った。
あの日の錆兎と宇髄が重なった気がした。
「宇髄……お前……」
「冨岡。あいつはお前の恋人だろ?」
そうだ。
帯留めのガラス玉一つであんなに喜んでくれた。
彼女はずっと隣で……
「守ってやれよ」
「あぁ」
今度はしっかりと地を蹴って、冨岡は彼女の元へ向かう。