第70章 咲くは朱なれど散るは白
「謹製し、奉る。西域にておわせられる、四海竜王、北方竜王敖広様の御力をお注ぎたまえ。黒龍をあるべき姿へ戻したまえ」
ドォンッ!!
白藤が言い終わるや否や、一際大きな雷鳴が鳴り響いた。
ビリビリと肌に余韻が伝わるほどの激しさに一同の動きが止まる。
「舞山様」
「これは……どういった術だ?」
気だるさも、身を刺すような寒さも無い。
それどころか、今までにないほど力が溢れている。
全身に血が通うように、力が淀みなく行き渡る感覚に……
「術にはございません。舞山様は元々その力を持ち合わせていたのです。ただ、人の身で龍神の力を制御出来なかったのです」
「これが……私の力、だと……?」
「鬼の肉体を手に入れたために、均衡を保てるようになったのでしょう。蘆屋道満はそれを分かっていて、貴方を魔に染め、邪龍に仕立て上げようとした……というところでしょう………」