第52章 審神者代理
「あなた方も物好きですね。ずっとここにいても暇でしょうに。」
レンは呆れ顔で大和守と燭台切を見遣る。
「そうかな。どんな主の姿も見ておきたいと思うものだと思うけど。」
大和守が肩を竦める。
「僕も同じだよ。君の勇姿はしっかり見ておきたいな。」
燭台切はにこにこと笑う。
「…勇姿、と言えるんでしょうか…?」
レンは自身の仕事姿を見てから、隣の七海を見た。
レンの格好は、白っぽい薄汚れた作業着に黄色のヘルメット姿だ。髪も無造作に纏めただけの、何の色気も可愛げもない。
一方の七海は、白の着物に赤の袴を綺麗に着こなし、黒地に赤い鼻緒の下駄を履いている。ウェーブがかかった髪を緩く綺麗に纏めて、化粧もばっちりだ。
七海の方が、余程見応えがあると思うのだが。
「な、何か…?」
じーっと見ているレンに居心地の悪いものを感じ、七海は顔を引き攣らせる。
「あー…、いや。何でもないです。
私の仕事終わりは5時なんですが、どうしたらいいですか?」
「そうね、その頃にまた迎えに来るわ。そしたらあなたの所の本丸で現状の報告会をしましょう。」
「わかりました。ならその時間にまたお願いします。」
「わかったわ。空斗さんはどうするの?」
空斗はがしりがしりと後ろ頭を掻くと、これ見よがしに大きくため息をつく。
「…乗りかかった舟だ。俺も本丸に行く。」
「なら5時にここで落ち合いましょう。」
「了解です。」