第8章 でこぼこトリオ結成
ホウオウも援護をしてくれてはいるものの、シルバーくんを乗せながらなので、そう何度も攻撃ができる状況ではない。
「サンダース、当てにいくんじゃなく、トゲピーが次にどこに行くか、予測して攻撃してみて」
「キュイ!」
今の指示は、わりと的確だったようで、2発放ったうち1発が的中。トゲピーの動きが止まる。
「隙ができた!もういっかい10まんボルト撃てる?」
「…キュゥゥ」
「…あ、もしかしてじゅうでんぎれ?」
サンダースは疲れたのか、ペタリとその場で伏せのポーズになってしまった。
たしかに、遠くに電撃を放つだけで相当な力を使うはずだ。ましてや何度も撃たせていたなら尚更、短時間でPPが底をついても仕方ない。急いでリュックを確認したけど、ちょうどPP系の回復薬は切らしてしまっていた。
「どうした、もう限界か?」
シルバーくんがホウオウに乗ったまま崖の上に戻ってきた。
「うん…これ以上は無理させられないかも。でも他の子だと、あの距離に攻撃が届くかどうか…」
「なら、今度はオレがここから狙うから、お前はホウオウに乗ってボールを投げろ」
「ひ、ひとりで乗る?ホウオウに?私が…?」
「こんな時にビビってる場合か!」
「…キュイッ!」
不意にサンダースが耳を動かし立ち上がる。
「どうしたの?」
サンダースの視線の先を追うと、日が落ちた藍色の空から、青白い光が見えた。光の正体は巨大な漆黒のポケモンで、身体を鮮やかに発光させながら、こちらへ向かってまっすぐ飛んでくる。
「——ボクが止める!」
「えっ?」
男の人の声が響いたかと思うと、黒い影はあっという間に私たちの頭上を通り過ぎ、トゲピーへと向かっていく。その次の瞬間、青白い神秘的な雷撃がトゲピーを襲い、一瞬でダウンさせたところを、シルバーくんがすかさずモンスターボールを投げて捕獲したのだった。