第93章 選んだのは、こういう道だろ
悠とトウマは、真剣な顔をして話し合う。議題は、親睦を深める為には どのような話題が適切なのか。というものだ。
私とのことで、こうも真剣な姿を見せてくれる2人。僅かではあるが、愛着も湧く。
そこへ、計ったように この男がまた口を開いた。
「何を話すべきかって?そんなのは決まってるだろ。恋愛話だ」
『また貴方は。口を開けば、そればかりですね。思春期ですか』
「ズバリ、あんたの異性の好みは?」
『人の話を聞きゃしない…
まぁ強いて言うなら、でっかい人でしょうか』
「…なぁ。それって、遠回しに俺のこと言っ」
『言っときますけど、図体がでかいって意味じゃないですからね。心とか器とか、そういう類のことですから』
悠は私の答えを聞いて、きょとんとして感想を述べる。
「なんだ…でっかい女の人が好きなのかと思って、ちょっとビビった。あっ、いや、べつにビビってねぇけどな!」
『ふふ。どっちなんですか。そういう亥清さんは、好きな子とかいないんですか?』
「そ…!そんな奴、いるわけねぇじゃん!!」
本物の、思春期男子の初々しい反応。私達は一様に、顔がニマニマしてしまう。
しかしこれ以上 構うと、ヘソを曲げてしまいそうだ。それを察したトウマは、虎於に話を振る。
「トラは?……大体の答えは想像出来るけど」
「いま狙ってる女がいるんだが…これがなかなか強情で、手を焼いてる。自分に素直になるのが苦手なんだろう。まぁ、落ちるのは時間の問題だろうけどな」
『へー、モノに出来る日が来たら良いですねー』
私は、熱い視線を送ってくる虎於を見ないで言った。