第82章 TRIGGERを独り占めだね
海で思い切り遊んだ後は、バーベキューを楽しんだ。残念ながら、楽はウニやアワビを見つけられなかったようだ。しかし用意された食材の中には、サザエや海老があった。
私達は、肉や新鮮な海鮮焼きを楽しんだのだった。
それから、勿論スイカ割りのリベンジだ。
今回 使用するのは木刀ではなく竹刀。長物を持たされた龍之介は、また自分が楽しんでしまっていいのかと首を傾げた。しかし、お前以外の誰が 竹刀でスイカを割れるんだ。という楽の言葉を受け、彼は頷いた。
『甘い…、昨日食べたスイカより、甘い』
「食べた。じゃなくて、飲んだ。だろ」
「あぁもう、だから昨日はごめんって!」
「塩が欲しいな。たしかバーベキューの時に使ったのがあったよね」
見事にリベンジに成功し、適当な大きさに割られたスイカを食す。
次はいよいよ、アレに乗る。
「じゃあ いくよ」
龍之介は、隣に座る私と、後部座席の2人を見てから言った。
4人を乗せた小舟は、龍之介の運転で海を軽快に走る。
滑るように水面を行く船。時折舞い上がってくる水飛沫が、キラキラと光る。潮の匂いのする海風を体全体で受けると、爽快な気分だ。
「太陽も海面も波も、すごく綺麗」
「あぁ。最高だな」
天も楽も、その美しい景色に魅入っていた。
私はというと、隣の男に見惚れていた。船を運転する彼氏という、なかなか日常では目の当たりにしないシチュエーションに。
そんな私に気付いた龍之介は、こちらに顔を向ける。そして、にこっと微笑みをくれた。
くらりと脳が脈打ったのは、決して暑さのせいではないだろう。