第6章 春の虹
「わ……」
袋の中には、栄養ドリンクと、ゼリー飲料が大量に入ってた。
力の入らない腕でそれを持ち上げると、想像以上に重い。
「よいしょ…」
ドサリとカウンターにそれを置いた。
二宮くんが、俺のためにわざわざ持ってきてくれたことに、再び胸があたたかくなった。
「重たかったろうになぁ……」
栄養ドリンク、これ何本あるんだろ?
彼の発想が、男の一人暮らしを経験してるやつならではで、笑える。
万が一、具合が悪くなっても、1人では飯もつくる気力もないから、ひたすらこんなんで栄養をとるしかないからだ。
もちろん俺も一人暮らしは長いから、それなりに緊急の備えはある。
けど、人からの心遣いってどうしてこんなに嬉しいんだろう。
それが二宮くんならなおさらだ。
喉が乾いてた俺は、栄養ドリンクを手に取った。
それはとっくに温くなっていたが……とても美味しかった。
明日には普通に会社に行ける気がした。