第4章 夕虹
季節柄、シングルベッドに男二人だなんていうこの状態は暑いのだろうけど、そんなことを感じる余裕もなく。
しんとした空間に、すーすーと大野さんの寝息と、カチカチという目覚まし時計の音だけが響いてる。
「…………」
俺はゆっくりと体を動かして、大野さんの方を向いた。
キシ……、とスプリングがちいさな音をたてる。
照明のちいさな豆電球だけがついた薄暗がりのなか
俺は、穴が開くんじゃないかと思うほど、大野さんを見つめ続けた。
こんなに近い位置に、こんな無防備に好きな人が寝てる。
一緒にいたい一心で泊まりにきて、こんな事態になるとは思わなかった。
一回目のお泊まりは、俺は酔っぱらいだったから、何も覚えてない。
二回目は、ベッドの上と下だったし、大野さんとのおしゃべりが嬉しくて、こんな感情にはならなかった。
三回目のこれは……天国か地獄か……。
大野さんが、もしも俺の気持ちをわかっててやっていたら、小悪魔以外の何者でもない。
……逆に、そうでなかったら、お前にはなんのやましい感情もないと宣言されたようなもので、それはそれで……複雑だ。
…………大野さん。
心で呼び掛けた。