第53章 紡ぐ未来
『目が覚めてしまって……起こしちゃいました??』
不「いいやァ。俺も目が覚めたんだが、お前がいなかったから。」
欠伸を噛み殺しながらこちらへ歩く不死川に杏はふふっ、と笑う。
『寝癖ついてますよ。』
不「いいんだよ、後でちゃんとするからよォ。」
『そんなこと言って産屋敷家の方々が起きてこられたらどうするんです??そのままじゃあ失礼ですよ。』
まったく、と言いながら杏は不死川を軽くしゃがませて軽く手櫛で整える。
わしゃわしゃと杏に髪を触られている不死川は任せることにしたのか特に抵抗することなく屈んでいた。
不「なぁ、そろそろいいかァ??」
少し経った頃……この体勢疲れるんだよなァ、とギブアップを訴えた不死川の頭を杏はポン、と叩く。
『まぁいいでしょう。それにしてもこのくらいで根を上げるなんて体力落ちてますよ。』
不「あのときほど鍛錬もしてねぇしな。鬼と戦う必要なくなったし、人間に勝てればいいからなァ。」
『筋肉はある程度は保たないと太りますよ。』
不「だからかァ。」
『なにがです??』
不「最近お前さんの腹が柔らかくなってたからァ。」
『な……!!私は最低限の鍛錬は……』
不「してねぇだろォ。」
『………うるさいです。私は別に太ってなんかないですもん。』
もう知らないと杏はそっぽ向く。