第52章 未来の約束
杏もしゃがんで戯れる犬と不死川を眺める。
『随分と懐いてますね。』
不「この先の神社で何回かメシを分けてやったんだよォ。」
わしわしと撫でられて嬉しそうな犬を見ていると2人の頬は自然と緩む。
『柴犬ですかね??白い柴犬なんて珍しい。』
不「野良だからちぃと汚れてるがな。」
『でも綺麗な顔してますよ。美人さんです。』
そんな話をしていると犬は杏の手をクンクンと嗅ぎ始める。
『はじめまして。実弥さんがお世話になってます。』
不「世話してたの俺じゃねェか??」
杏は手を差し出し、犬の満足するまで嗅がせてやる。
そして、満足した犬は杏の手に頭を摺り寄せる。
『まぁ、本当にかわいいですね。……って、あら??もしかしてこの子……。』
あることに気づいた杏は犬の腹に手を当てて、目を見開く。
『実弥さん……この子妊娠してますよ。』
不「まじか!?そうなのかお前!?」
『妊娠中の野良犬が寄ってくるって……警戒心高いはずなのに…。』
どれだけ懐かれていたのかと不死川を見上げる。
不「栄養あるもん食わなきゃだもんなァ。メシ分けてくれたやつ覚えてたのか。偉いなァ。」