第52章 未来の約束
しのぶからもう大丈夫とのお墨付きをもらえた杏だったが、昼餉後の散歩がすっかり習慣になっていた。
その日も不死川と散歩をしていた。
もう隊服を着る必要はないため、桜色の着物に帯は白色で黄色の帯上げを重ねて、桜の花の飾りのついた帯留めを結んでいた。
髪飾りはあるときから3種類の髪飾りを交代でつけており、今日は椿の花の髪留めを耳上につけて、髪は下ろしていた。
『桜は散ってしまいましたね。すっかり葉桜です。』
不「そうだなァ。今年は花見はできなかったし、来年は盛大なのがありそうだなァ。」
宇髄辺りが主催すんだろ、とほんの少しだけピンク色が残っている葉桜を見上げながら話す。
『まぁ、桜の花が見たければ私の屋敷にいらしてくださればいつでもお花見はできますよ。そろそろ杏の花は終わりそうですけどね。』
不「……なるほどなァ。」
『何がなるほどですか??』
少し考え込んだように話す不死川に杏は首を傾げる。
不「いや、なんとなくまだ春な気がしてたのはお前のとこに毎日のように行ってたからかと思ってなァ。」
『その節は大変お世話になりました。つい先日漸くしのぶさんが教えてくれましたよ。皆さんのおかげですっかり元気になりました。』
不「そら良かった。俺の菓子作りの腕もなかなか上達しただろォ。」
『本当ですよ。まさかたった一月半くらいであそこまでできるようになるなんて。』