第1章 跡を継ぐ覚悟
唄羽は、思ってもいない提案にこれでもか、と驚いた顔をしている。
その様子に思わず産屋敷は笑ってしまうが、本人は真剣に何かを考えている。
そして暫くの沈黙の後、意を決したように口を開く。
「是非、お願いしても宜しいでしょうか」
断られると思っていた産屋敷が今度は目を開く。
「…いいのかい?ご両親と住んでいた家を離れることになるんだよ」
「はい。大丈夫です。
今まで通り、町の方への薬の処方は昼間に行いこちらに帰ってきます。
町だと、匂いなどがひどく作れない薬もございます。
……それに、鬼殺隊の皆様と産屋敷様がいらっしゃれば、きっと何十年も、何年も家を空けることにはならないと信じております。
どうか、宜しくお願い致します」
唄羽はそう言うと深々と頭を下げる。
その様子を見て産屋敷は安心したように微笑んだ。
「その芯の強さはご両親譲りだね唄羽。唄羽のことは我々がしっかり護るよ。これから、頼んだよ唄羽」
はい!と強くうなずき部屋を出ようとした時、産屋敷に引き留められる。
「……なんでしょうか?」
「これから、柱達との柱合会議をやるんだけれどそこで唄羽のことを紹介してもいいかな。きっとこれから顔を合わせる機会も増えると思うからね。どうかな?」
「そうしましたら、是非」
「そうしたら、呼ぶまで少し待っていてくれるかい?安心しなさい、先程のしのぶもいるから大丈夫だよ」
そう言い残し産屋敷は柱合会議に行ってしまい、唄羽は一人部屋に残される。
これが、昔の友人との再開になるとも知らずー……