第1章 跡を継ぐ覚悟
◼主人公一般人(薬師)
富岡さんとは幼馴染設定ですが、もう長い間会っていません。
とある柱会合の日。
1人の少女が産屋敷邸の前で周りを見渡していた。
剣も握った事のなさそうな細く、可憐な少女が。
「(ここで、いいのかしら……?)」
「あら?あなたは?」
そこへ蝶の髪飾りをつけた少女、胡蝶しのぶがやって来た。
しばらく様子を見ていたようだが、見かねて声をかけたようだ。
「あの、私産屋敷様にご連絡頂きまして参りました、柊唄羽と申します。……恥ずかしながら何処から入れば良いのか分からず…」
唄羽と名乗った少女は丁寧に頭を下げ状況を伝えた。
「そうだったんですね。ちょうど私も今から用事があるのでご案内致しますね」
ニコッと笑って唄羽の手を引く。
「ありがとうございます!たすかります…!」
そうしてしのぶはお館様の元に唄羽を案内する。
「……お館様。屋敷の前に柊唄羽さんという女性がいらっしゃったのでお連れしたのですが、お時間よろしいでしょうか」
襖の奥へとしのぶが声をかけ、唄羽は緊張しているのか息をぐっとのんでいる。
「……ああ。ありがとうしのぶ。…通してくれるかい?」
奥から聞こえてきたのは優しい声。
しのぶは襖を開け、唄羽を産屋敷に案内するとそのまま立ち去ろうとする。
「あ、!ありがとうございました……蝶のお嬢さん!」
「いいえ、とんでもないです。…では」
慌てて唄羽がお礼を言うと、お嬢さん、と言われたことに少し驚いたのかしのぶは目を少し見開き嬉しそうに笑った。
「さぁ、こちらへ唄羽さん」
「……はい、失礼致します。ご挨拶遅れて申し訳ございません。私柊唄羽と申します。父の跡を継ぎ、3代目をしております」
「ああ。知っているよ。お父さんには大変お世話になったからね、こうして来てくれてとても嬉しいよ」
「……ありがとうございます。」
一通り挨拶を済ませると、産屋敷が姿勢をただし、本題に入ろうか。と静かに声をかける。
その瞬間、唄羽もぐっと背筋を伸ばす。
「……はい」