第8章 2つの影【リーチ兄弟】
魔法が使えたのなら、ここから出られたのかもしれない。
もっと強くあれば、この目の前の男も倒せたのかもしれない。
……でも自分には何も出来ない。
だからといって無抵抗でいるものか。何か隙があるはず。
きっと、大丈夫。
ユウはぐっと唇を噛む。
男は少しずつユウの服を脱がしていく。
「……やめて。離して」
両手が使えなくても身体をよじって抵抗することは出来る。
ユウは必死に抵抗するもやはり力の差で負けてしまう。
ブラウスを脱がされ、下着だけが露わになる。
「……最悪…早く離れて触らないで」
気を強く持っていないと悔しくて泣いてしまう。
「ったく、さっきからうるせぇんだよ!!!お前ら!来い!」
「!!!??」
その言葉に思わず目を見開く。
この1人だけではなかったのか、と絶望感がユウを襲う。
ところが、人が入ってくる気配が全くない。
それに男も不安になったのか扉へ向かった瞬間、その男が遠くに投げ飛ばされた。
「……え?」
「……ったく俺の小エビちゃんに何してくれてんの?死にたいわけ?」
「多分そうですよフロイド。その男を頼みます」
「……っ……!!!」
聞きなれた声と、背の高い2つの影。
「ジェイド先輩、フロイド先輩………?」
「はぁ、なんてことしてるんだあの男。……ユウさんケガはないですか?何もされてませんか?大丈夫ですか?」
ジェイドはユウにすぐ服を着せ、いとも簡単に枷を外してしまう。……物理で。
「……大丈夫、です、……なんでここ、」
「…習性と言うんでしょうか?暗くて狭い所は何となくわかるんですよねふふふ。もう大丈夫ですよ」
その言葉にユウの涙腺は崩壊する。
「…っ、怖かった、もう外に出られないかと……もう、だめかと……!!」
ジェイドは優しくユウを抱き寄せ頭を撫でる。
「怖かったんですよね……よく頑張りましたね」
「ジェイド~この男伸びちゃったぁ~っていいなぁー俺もぎゅーする~」
そこへ男をコテンパンにしたフロイドもやってくる。
抱き合ってる2人のさらに横から抱きつく。
「よしよーし小エビちゃんもう大丈夫だよ~」