第65章 *勃発エマージェンシー*
『ご、め....っげほっ!』
ルーク『もう喋ってはいけない。暫く君はそのままでいるんだ』
ルークはレイラを黙らせると横抱きにしたまま、禍々しいオーラに包まれていくヴィルへと向き直る
ヴィル『ふ、ふふふ..そうよ。そうだわ。アタシ以外の人がみんな醜く歪んで溶けてしまえば..
ーーアタシは世界一、美しいわよね?』
その時、黒いインクは心を染め上げ美しき女王の奮励の精神を汚し、蝕んでいった
その淀みは宝石を濁らせ、彼の姿を変えていく
オーバーブロットしたヴィルは、インクで汚れた青と黒のドレスを身に纏い、青黒い炎を右目に宿し妖しく歪んだ笑みを浮かべていた
『ぁ...オーバー..ブロット..うっ、ゲホッゲホッ!』
ヴィル『安心なさい。苦しみは長く続かないわ。もうすぐ息が止まる。血も凍りついて..もう二度と目覚めることはない。ふふふ..ははは!あーはははは!』
ルーク『ああ..ヴィル。なんて恐ろしく、哀しい姿なんだ..それでも尚禍々しい程に美しい、君の姿から目を逸らしたくない..なのに、目が霞んで..』
カリム『くそっ、体の、力が入らない..っ』
グリム『頭がくらくら..するんだゾ..』
ユウ『うっ...このままじゃ..』
オーバーブロットしたことによる負のエネルギー強化により威力を増した毒霧がユウたちから力を奪い、その場で立っていることすら出来なくなり始めていた
ヒュウンっ!!!!
ヴィル『なにっ!?くっ!?おのれ..邪魔をするなっ!』
その時、毒霧を裂くように何かが勢いよくヴィルとユウたちの間に割って入る形で縦横無尽に飛び回り、ヴィルの進行を妨げていく。横切った際の風圧のおかげで、ユウたちの周りの毒霧が徐々に晴れていった
カリム『あ、あれは..魔法の絨毯!?どうしてここに!?』
?『ーーまったく、こんなことだろうと思ったよ。
みんな、乗れ!!』
カリム『ジャミル!!』
絨毯に乗って現れたジャミルは、ヴィルの一瞬の隙をついてユウたちを乗せて飛び去っていく
ヴィル『逃がすものですか..!』
ヴィルは自身の背から大きなカラスのような翼を出すと、ユウたちを追いかけて大きく翼をはためかせて飛んでいった