第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
トレイ『......』
『トレイさん?汗びっしょりだよ..大丈夫?』
あれから何も言わないまま座る様子が気になり顔を覗き込むと、その額からは大粒の汗が滴り落ち、まるで何か恐ろしいものを見たように落ち着きなく瞳を揺らしていと
『ケイさん。トレイさんが..』
ケイト『ん、なに?って、うわっ!ほんとだ。汗すごいよ、部屋暑い?』
トレイ『..........ないんだ』
ケイト『え?』
トレイ『この部屋の壁に飾ってある写真..全部、俺の記臆にない』
『『『えっ?』』』
震えた声で紡がれた言葉にケイトたちは一瞬で固まり、トレイの周りに再び張りつめた緊張が部屋を包んでいく
トレイ『確かに俺は9歳になったばかりの頃、リドルに出会ってる。でも..一緒に遊んでいたのは、たった1・2ヶ月。リドルはずっと私立校に通っていたから、公立校に通っていた俺とチェーニャとは、1度も同じ学校に通ったことはないんだ..
だからスポーツデーに参加したことも、一緒に旅行をしたことも、ない』
ケイト『そ..それってつまり、この部屋の写真全部..』
『リドルさんが作った、ほんとはないはずの偽物の思い出..』
先程まで微笑ましく温かい数多の写真たちが、架空の思い出と気づいた瞬間、ゾッと寒気を走らせるものへと変貌した
頭によぎる嫌な予感に心臓が早鐘を打ち始めたその時、ガチャっとキッチンの扉が開かれ、両手にティーセットを載せたお盆を持ったリドルが上機嫌に入ってきた
リドル『みんな、お茶が入ったよ!
..どうしたんだい。みんな座りもせず立ったままで』
エース『オレら薔薇の王国出身者が多いんで、つい壁の写真見ながら昔の話で盛り上がっちゃって』
リドル『ふふふ!どれも最高だろう?さあそんなことより、今はお茶だ!席はいくらでもある。みんな座って、座って!飲んで、飲んで!楽しくやろう!』