第87章 *懐刀インパクト*
鉄の者『こ、こいつの動き..すばしっこくて目で追えない!』
鉄の者『これ以上やり合うのは危険だ!総員撤退!!!』
リリアの素早い身のこなしに翻弄され、全く歯が立たない鉄の者たちは、やむを得ず撤退することとなった
リリア『おーおー。逃げ足だけは立派だなぁ』
妖精『右大将殿、お手を煩わせて申し訳ありません。街に戻る途中で敵に見つかってしまい..』
リリア『気にすんな。たまたま通りがかっただけだ。負傷者を連れてるんだろ?さっさと行け』
妖精『かたじけない..夜の祝福あれ』
リリア『ーー夜の祝福あれ』
リリアに頭を下げると、妖精たちはこちらが来た道をぞろぞろと戻っていった
『リィさん優しい』
リリア『は?今のやり取りのどこにそんな要素があったんだよ』
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『火の匂い..それと、鉄の匂い』
セベク『鉄の者たちか?』
『多分』
その言葉に警戒心を高めながら、次第に全員の鼻にも煙の匂いが感知できるほど近づくと、物陰からその先を覗き込む
シルバー『前方に煙が見えますね。焚き火..でしょうか』
リリア『どうやら鉄の者たちが、野営の準備をしているようだな。寝床だけでなく飯の準備までしてくれているとは、丁重なもてなしありがたいこったぜ』
バウル『右大将殿..』
『..お腹空いた。ねぇ、あの邪魔な人たちをまた追い出したら、ご飯食べられる?』
鳴きだした腹の虫を抑えながら問いかけると、リリアは悪い笑みでポンッと頭に手を乗せる
リリア『ああ。あいつらを追い出して、わざわざ用意してくださった食材と寝床で休憩にするぞ』
『ん、じゃあいっぱい頑張る。だって私達のためにご飯と寝るとこ用意してくれたんだもんね』
グリム『それなら仕方ない、オレ様も本気を出してやるんだゾ』
リリア『いい心がけだ。さあお前ら、もうひと仕事と行こうじゃねえか』
キシャーー!!と戦闘の合図を送ると、近衛兵たちは各々の武器を持ち、野営する鉄の者たちへと襲いかかった
繰り広げられるこちらの急襲に、慌てふためき逃げ惑う鉄の者たちへユウはそっと手を合わせた
ユウ『..ご愁傷さまです』