• テキストサイズ

パンひとつ分の愛を【ONE PIECE】

第7章 トラ男とパン女の攻防戦




洗面器に湯を張り、情けない下着をごしごし洗いながら、ムギは昨夜の出来事を振り返っていた。

「ぐぅ……!」

思い出すと猛烈な羞恥が込み上げてきて、窓を開け空に向かって叫び出したくなる。
もし浴室に窓があったのなら、迷わずそうしていた。

くぐもった呻きを噛みしめながら下着を擦り、なぜこんなことになったのかと恨む。

すべては、追試のせいだ。
元を正せば、成績が悪いムギのせいでもあるけれど。

(次からは、もっとちゃんと勉強しよう。そうしよう。)

テレビを見ながら勉強し、途中で気が逸れて全然捗らずに終わる。
そんな勉強の仕方をしていたから、朝から裸で下着を洗う羽目になったのだ。

というよりも、あんなに大変なことになるとは思わなかった。
ムギは深窓の姫君じゃないから、男女の営みについて正しい知識がある。

ローが指を入れた場所にナニを迎えるのかも、ローが押し潰してきたいやらしい突起の名称も、当然ながら知っている。

友達の中には経験済みな子もいるし、耳にする話から“初めて”がどのようなものなのか、知っていたつもり。

痛い。
あんまり気持ちよくない。

感じ方は人それぞれだろうけれど、少女漫画やエロ漫画のように、最初から快楽を得て絶頂するような女性はほぼいないのだという。

ところが、昨夜のムギはどうだろう。
唇も胸も、秘処も、弄られるたびにはしたなく喘ぎ、最終的には意識を飛ばしてしまった。

たぶんあれは、巷でいう“イッた”というもの。

(……わたし、淫乱なのかも。)

いつかボニーに漏らした冗談混じりの悩みが、まさか現実のものになろうとは。

こんなこと、さすがの親友にも相談できやしない。

(ローは、どう思ったかな……。)

今朝はあまり、話せなかった。
ローの眼差しには嫌悪や軽蔑の色は見えなかったけれど、心の中で「なんかちょっと違う」とでも思われていたら、恥ずかしさと情けなさ、それから悲しさで死んでしまいそうだ。

「……ハァ。」

やっぱり自分は、恋愛に向かないのかもしれない。
そんなため息を吐きつつ、洗い終えた下着をきつく絞った。



/ 400ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp