第17章 壁外調査
「いや~、さっきはすまなかったね! でも私としては君に礼を言いたいくらいだよ!」
「……なんのことだ」
「もちろん貴重な瞬間に立ち会わせてくれたことだよ。前例のない特例がまさに前例になるその瞬間に立ち会えたどころか私も大いに関連している上に!」
ハンジはここで一旦言葉を切り、すうはーっと息継ぎをした。
「その特例が生まれた理由がリヴァイ! 君ともっともかけ離れていると思われる人類が人類であるゆえんの原始の感情と欲求が切迫したことによるものだなんて!」
「……は?」
前触れもなく入ってきたかと思えば、訳のわからねぇことをべらべらとまくし立てやがって!
「ということでリヴァイの部屋で静養するマヤのために来たから」
何が “ということで” なのか?
マヤのためにといっても、そもそもこのクソメガネのせいでマヤはこうなったのに、こいつには反省するとか自重するとかねぇのか。
「マヤは俺がみる。帰れ」
腕を組み、そう告げた途端に何故かニヤニヤしやがり腹立たしい。
「わかってるよ! 邪魔する気なんてないって! でもこうなったのは私のせいだ。できることはやらせてくれ。だからリヴァイ、ちょっと部屋から出ていってくれないかい?」
「あ?」
……部屋に乱入してきて一方的に喚いているが…。
こいつが何を言いたいのか、さっぱりわからない。
「だーかーらー!」
ハンジが不服そうにしたときに、失礼しますとナナバが入ってきた。手には水の入った手桶と白いタオル。
「来た来た。だからねリヴァイ! 私とナナバでマヤの体を拭くから出ていってほしいんだ」