ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
「…おーい、子猫ちゃん」
「随分気持ち良さそうだな?」
カシャンッという音に目を向けると、男たちが檻の前まで来ていた。
その姿を見た途端頭に、今度はこの男たちとのキスが蘇る。
『…うぅ…っん…ぁ…はあ』
「薬の効き目マックスってとこだな。なんか昨日より効いてねえか?」
「涙目で息荒くしながらツバ垂らしてるのに、まだダメなのかよ…」
「見てろ、もう堕ちる。
……おいユウコ、そんな顔をしてこっちを見るなよ。俺たちは仕事でお前の様子を見てるだけなんだぜ?」
『…はぁ、…っあ』
「お前が体がおかしいって言うから治してやっただけなのに…昨日はアッシュからユウコにひどいことしないで、だなんて言われてよ…心外ったらありゃしねえ」
『はっ、…ん…はぁ』
「散々悦がってたのはお前なのに、
…なァ?」
男は見せつけるようにべロリと自分の唇を舐めながらニヤッと笑った。するとビクンッと体が震え、私はつられるように舌を出した。
「…ククッ、なんだよその舌は。どうした?まるでキスがしたいとでも言ってるみたいだな…」
『…ん、ぁ…っ』
「俺だって男だからよ、そんな顔されたらたまらねえ。その舌に…俺のこの舌をねっとり絡めて、グチュグチュと大きな音を立てながら…腰が抜ける程のいやらしいキスをしたくなっちまう…」
『ぅう…はぁっあ…っん』
「フッ…、ガキがえっろい声出しやがって、俺とのキスを想像しちまったのか?」
男は檻の前にしゃがんで私を見つめる。
「でも出来ねえ。あぁ〜、残念だ。昨日アッシュとあんな約束なんてしなけりゃな…」
『…ん…はっ、ぅ…』
「本当なら、今すぐその口の中をぶち犯してえが…昨日、俺たちからは何もしないって約束しちまったんだよ…」
『…ッ……はぁ、はぁ…っ』
「昨日のキス…覚えてるだろ、俺の舌とお前の舌…どうなってたっけ?」
少し離れた柵越しに見える男の唇から、舌から…目が離せなくなった。もう自分が自分じゃなくなったみたいに頭の中がドロドロに溶けている。普段通りのことが考えられない。正しいことがわからない…。
キス、したい。
きもちよくなりたい。
ただひたすらその思考に支配された。
『…ぁ…、っはァ…ぅ…』
上手に動かない体を必死に動かし、柵に近付く。