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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第14章 消えない傷


涙が際限を知らないくらいに溢れてくる。


本当は嫌だよ、苦しいよ

アスランが檻から出て行っちゃった時、もう死んじゃうんじゃないかってくらい胸がギュウッて痛くて…行って欲しくないのにパパの声に腕を離しちゃった自分が許せなかった

涙が止まらなくても、パパが笑ってって言うなら頑張って笑わなくちゃいけない…だって従順ないい子でいないと、私はここにいられないから

パパがいい子って頭を撫でてくれるってことは、私まだここにいても良いってこと…アスランと一緒にいられるってことなんだよ

パパからのキスだって…嫌だけど、アスランと離れることに比べたら我慢できる

アスランのためなら


だって私アスランのために生きて良いんでしょ?



私、アスランがいない間にひどいことされたよ…でも耐えたよ…?色んなところ触られたり、舐められたりして…久しぶりに喋った日本語は……

まだ舌や喉には変な味が残ってて…こんな口でアスランとキスしたくなかったの…
アスランがいない間にあんなことしてたって知られたくなくて避けちゃったけど…ほんとはいつもキスしたいよ、私アスランのキスが大好きだよ
…なのにもう、キス…してくれないの?





アスランといたいから、
アスランと一緒に、
アスランのためなら…


私の心はアスランでいっぱいなのに、
アスランがいなかったら生きていけないのに…



もういい、だなんて
本物のペット、だなんて
言わないで…


アスランはもう私のために生きてくれないの?


苦しい…痛い…心がズキズキする…

どうやったら治るんだったっけ…
心の傷の治し方…教えて…


ふたりでよかったってもう一度言って、
自分を傷つけないでって、怒って…


『っア…ズッ……ラ、っう』


声をあげて泣き続ける私は、アスランが焦りながら何度も私の名前を呼んでいたことに気付かなかった。
この時自分でも何が何だか分からなくなっていて、アスランに嫌われたと頭が思い込んでただそれだけに支配されていた。


『…ぁ…っあ…ぅ……』


私は無意識にゆっくり自分の腕を口元に持っていった。
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