ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
《アスランside》
そこには、まるで大きな動物を飼うような檻があった。よく見るとその中にはベッドがひとつぽつんと置いてある。
もしかして、僕たちは……
「パパ」
「ああ、ご苦労。」
中にいた3人の男たちが言葉を交わしたかと思うと、僕たちの腕を掴み檻の前へグイグイと引っ張る。
『……っ、』
「……や、だ!」
「ほら、大人しく中へ入れ!」
ついに中へと押し込まれる。
ガチャンと檻の扉が閉まり、外からニヤニヤとした視線を向けられる。
「へえ…なるほど可愛いツラしてやがる。」
「まさか本当に女が来るとは思わなかったぜ!」
「こんな立派な“ハウス”を作ってもらって幸せだな」
「こら、やめないか。私の可愛いペットが怯えているだろう。」
ペット…?
「パ…、パパ!すみません、まだいらしたのですね!」
「私の前で余計な言動は慎め。…アッシュ、ユウコ、怖がらせてしまったね、さあこちらへおいで。」
鉄の縦格子の隙間から腕を入れてこちらに手のひらを上に向ける。檻の中央のベッドの前で動けなくなる僕たち。
「…ユウコ、私はおいでと言ったんだよ?」
名前を呼ばれ肩を震わせたユウコは、ゆっくりと歩き出す。行っちゃだめ、そう口にしようとしたのに喉がヒュッと鳴るだけで声にならなかった。
「よし、…いい子だ。」
体をかたくさせながらじっと頭を撫でられているユウコの表情はここからは読めない。
僕を見た男は、わずかに口の端を上げた。
「それでは、またすぐに会いに来るよ。」
僕たちを檻の中に残し、背を向けて歩き出した。
手下のような男たちはその姿を見ていた。