第2章 桜の前
中也の選んだ服を着て用意を済ませ、サラダ以外にちゃんと朝食を摂らされてから拠点へ向かう。
とりあえずは、今回の事の顛末を首領に報告しなければならない。
そしてその方向で許しを得なければならないのだ。
中也が。
「すみません、首領……勝手な行動です、言い訳することもできません。どうか、ご処分を」
「うぅん…処分って言ってもなぁ。僕、別に君達が仲良くなれるならそれでいいしぃ…ぶっちゃけ願ったり叶ったりって具合に中也君が動いてくれちゃってるから、寧ろ狙い通りっていうか、やっぱ中也君ていい子だよね??」
「…ね、狙い通り…ですか?」
『…じゃあ、私この幹部さんもらっていいんですか?』
「うん、好きなようにどうぞ♡それはもう煮るなり焼くなり旦那にするなり」
最後になにか聞こえた気がしたが、聞かなかったことにした。
そして代わりにその真意を読もうとするのだが…なんと同じことを考えているどころか、私をポートマフィアが手放すという選択肢も持っていないようで少し驚かされた。
『旦那って、…流石に嫌がられるかと』
「えええっ!!?こんなに可愛いのに…ていうかリアちゃん、外見だけでも中也君の物凄い好みなはずだし大丈夫だって!!」
「ちょっと、何を仰るんですか首領」
『そうなの?婚約する??』
「手前はなんでちょっと乗り気なんだよ!!?」
本気で赤面して恥ずかしがられた。
そんなに真に受けるような事じゃないのに。
単純な人なのね。
『いや、なんとなく。私多分このまま嫁のもらい手なく生きてくだろうから』
「…反ノ塚とかいるじゃねえの」
『だめよ、あれは片想い中の男の子なの…それに私のタイプじゃないし。嫌いじゃないけど』
「だってさ中也君!良かったじゃない、君こそ女の子に興味無いんだから、これはリアちゃんにお願いしておくべきだって!」
妙に乗り気なこの首領。
心の底で何を楽しんでいるのかと思いきや聴いてみれば、何やら中也が私をやけに気にかけているだの心配しているだのなんのと…途中でそれを聴くのをやめた。
なんかこっちが恥ずかしくなってきたわ、なんなの中也って。
「お願いって…お前もお前で反ノ塚がダメでなんで俺なら良いんだよ!?」
『私男らしい人好きだもの』
人として、と付け足しておいた。
「っ、……高校卒業しても貰い手無さそうなら…貰って、やるよ」
