第4章 培われしは藍晶石の光輝
鉄の味が伝い、勢いよく離れられる。
それに頭の中が真っ白になって、やっしまったと何度も何度も繰り返す。
舌打ちをしてから痛そうに唇に手を当てる彼に、恐怖する。
正確には、彼に軽蔑されることに。
『あ、…ッ…ぇ、と……ごめ、…っ…!!』
「…怒ってねぇよ、寧ろお前は俺に怒っていい。少し無理に迫りすぎてる自覚はある」
『そ、なこと…』
___噛み付かれてもって、そういうことかよ。
聴こえる声は、残夏君から教えて貰ったというものだった。
彼は、予め違う形で予見はされていたらしい。
「…もしかして、何も見えないから余計に怖かったりするか?…目、開けてる方が怖くなかったりする?」
分からないからそれに何も返せないでいると、また彼の手が頬に触れ、迫られる。
しかし私が反射的に目を瞑ったところでピタリと止まり、彼の声がまた響く。
「お前からして」
『へ…?…?、!?わ、わた…ッ、!!?』
「俺からするよか怖くないだろ」
『そ、なのしたことな…ッ…ぁ、…ぅ…っ』
恥ずかしさに思わず目を開けて、彼の方を見る。
暗いからあまり顔はよく見えないのだが、視線を感じない。
動く気配もない…待っているのが、わかる。
「………舌入れてもいいけど?お前なら」
『し、!!!?!?…ッ…きゅ、ぅ……』
恥ずかしさのあまりに鳴く始末。
こ、この人こんなに大人っぽかったっけ。
ショートした頭で躊躇っていれば、ぐい、と抱き寄せられて強請られる。
「俺はする方が性に合ってるけど、そんな反応貰えるならたまにはいいかもな。…ほら、早く」
『……っ…、ぁ……ン…、ッ…』
少し上を向くようにして、彼の唇に、自分のそれを重ね合わせる。
それから、あまりの恥ずかしさに震えて動けなくなれば、息が持たずに咳き込んだ。
『ッ、ほ…けほッ…!!』
「はい、無理しねえの。深呼吸してもう一回…無茶しない範囲で息吸って、繰り返して」
言われるがままに、後頭部に添えられた手に従うように…見て居ないはずの彼に口付けさせられる。
…自分から、求めてるように。
『ン…、……ん、…ふ…っ……ッは、……はぁ…、ぅン、ンン…ッ……♡』
感触を、また覚え始める。
そしてどんな時にゾクリと震えるのか…どんな時に、自分がその刺激を求めてしまうのか。
あ、ダメだこれ、クセになりそう。
堕とされちゃう…
