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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


「ただいま」


電話を切ったあたしに青峰君の声が聞こえて心臓が跳ねた。
こんな人に“ただいま”なんて言われたらドキドキしちゃう。

「おかえりなさい」

さっきも言ったけど、ついでみたいのじゃなくてちゃんと言いたくてもう一度言うと頭を撫でてくれた。

もう心臓が本当にうるさい。


「仕事か?」

「うん!BOSS」

「フリーランスじゃねぇのか?」

「日本では完全にフリーランスだけど、アメリカではBOSSの下でやることもあるの。今回のコレクションもBOSSが呼んでくれたから参加できるようなもので、実力じゃない。ここで結果を残せなきゃ来年はないし、多分ミラノにもパリにも呼んでもらえない」

話してるうちに緊張が襲ってきて声色が固くなる。

実力じゃないって認めることはすごく悔しいけど、実際にBOSSが呼んでくれたってことは実力じゃない。

そこだけは勘違いしちゃいけないって分かってる。

あたしはメイクチームでは多分最年少だけど、実力じゃなく弟子だから呼ばれた。

呼ばれたならその人の期待以上でなきゃ意味なんてない。
年齢も経験も関係ない。

できることを全てやって仕事を取るしか、本番のコレクションに残る方法はない。



「自分を信じろ。呼んでくれたBOSSだって黒須を買ってるから呼んだんだ。誰でもよきゃわざわざ日本から呼ばねぇだろ?黒須だから呼ばれたんだ。俺はメイクのことは分かんねぇ。でも必要とされたから呼ばれたってことを絶対に忘れるな」


強くて自信をくれる言葉だった。


なんでこの人はこんなにあたしに自信をくれるんだろう。

青峰君の言葉一つ一つが嘘には聞こえなくて、本当にそう思ってくれてるのかなって思うだけで緊張がほぐれてプレッシャーの中にある楽しみを感じられた。



「ありがとう。頑張ってきます」

「あぁ」
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