第22章 葬儀と日常生活へ
「好きなヤツ…いるの?」
グツグツ音が聞こえる。
ヘラで混ぜていた私の手が固まる。
「えっ、好きなひと!?」
ぎょっとサスケ君を見た。
予想外な言葉だけに、動揺が止まらない。
まさか。サスケ君から、色恋の言葉が出てくるとは。狼狽する私をよそに、サスケ君はキッと私を睨む。
「まさか、……あの口布野郎じゃねーだろうな。お前、さっきの態度が、おかしかったし。なあ、ちがうよな?」
「えっえっ…と」
「あんな口布野郎の、どこが良いんだよ」
吐き捨てるように
言っちゃうサスケ君。
いやいや口布野郎て。まあ酷いな。
私は息を吐いた。
「えっと、…カカシはね、口布外したらめっちゃ格好いいんだよ?あとね。凄く強いし、優しいし、身長高いし…」
指折りした。あと、なんだろうか。
一生懸命フォローするが
出てこない。上を向いて悩んだ。
「うん……いっしょにいて、ホッとする人なの、カカシは。そばにいてくれたらね、安心するの」
カカシは、私のそばにいて欲しい人。
だから、もしかしたら容姿は、私にとって、意外と重要ではないのかもしれない。お腹が出ても、シワが増えても、気持ちは、変わらない気がする。
「っ……んだよ、惚気かよ」
「あははは。ごめんね。きっとサスケ君にも、素敵な女性が、きっと現れるよ」
ぶくぶく沸騰する音がして、コンロの火を小さくした。あとは煮詰めるだけだ。
「……花奏がいい」
「えっ?なんて?」
あまりに小さな声だった。私は聞き逃してしまう。
「ごめんね?もう一回教えて?」
次は聞き逃さないように、横を向いて、サスケ君の顔の高さまで屈んだ。途端に嫌そうな顔をするのだ。困ったようにも見えた。
「っ……!……言わねーよ、もう」
ぷいと顔を逸らして、エプロンを外して、サスケ君が台を降りる。
「え、え、ごめんごめん」
焦る。
怒らせてしまったのだ。
「もういい……って! オレ、片付けやってるから」
私を見ないで、すぐに、奥の部屋に行ってしまった。ひとり残された私はぽつんと寂しい。
7歳でも男の子だ。
カカシとは違う。ヤナギともちがう。テンゾウともちがう。
やっていけるかなあ……と
私は頭をかいた。