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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第93章 〝私〟について(その1)


「コナンが来たくらいか? ○○が落ちついて、助手とは別に次の仕事を探すかどうかって話をしていたくらいに、安室くんが来て」

ああ、そういえばあの頃の○○はヘッドホンが好きだったな、と思い出したように言われて――

「ヘッドホン、ですか?」
「ああ、外でも声をかけられなくて便利だって言ってた」
「な、るほど?」

私は多分、近しい人を作らないようにしたのだろう。
失った大切な人たちと同じような存在を作りたくないから。
それでも、大切になった。

「僕が初めて外で声をかけた時、確かにヘッドホンつけてましたね。……少し嫌そうな顔をして」
「ははっ、○○らしいな」
「でも○○お姉ちゃん、安室さんに初めて会ったとき泣きそうな顔してたよ」
「そうなのか?」
「うん。ボクが聞いたら、大事な人に似ていて驚いたって言ってたよ」

私の、大事な人。

「安室くんと○○の元カレが似ていたのか!?」
「元カレ?」
「ああ、結婚するから辞めたいって言ってな。そうだ、その時に初めて三人で飲んだな」

安室さんに似ている元カレ。

「結婚がその後すぐ破綻になって、……そういえば二人が付き合い始めたのもそれからすぐだったな」
「僕が彼女につけ込んだので」
「ははっ、俺は助手と弟子が付き合って嬉しかったな」

お酒を飲みながら、毛利先輩が話を続けた。
安室さんと付き合ってからの私は、生き生きとし始めて――でも、怪我や欠勤をするようになったと。
助手の仕事の数も減らし、掛け持ちはしていないとは言っていたが、他にも仕事をしていそうの様子だったと。
安室さんの手伝いをしていることもあったから、助手を弟子に奪われたと思っていたこととか。

「○○は自分のことをよく話すほうではなかったからな。俺が○○の過去で知ってるのもそのくらいだ」

私という人間――

「毛利先輩から見て、私はどういう人物でしたか」
「あー、一言でいうと流されやすい」
「はい?」
「情に弱くて実力はあるのに自信がない」
「はあ」
「でも、すごくいいやつだ。優しくて正義感があって――お前はすごく、いいやつだ」

私は、私が羨ましくなりそうだった。
こんなふうに私を信じて、受け入れて、見守ってくれる人がいて――
そんな人たちを一度は拒んだことを、悔やんでしまうほどに。

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