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*恋人はインキュバス*【R18】

第3章 壊される日常





*


「一日中ここで寝てりゃいいのに」

「遠慮しておきます!」

ぐったりして動けなかった私の体を清めてくれた彼。
乱れた服を整えベッドを出ようとすると、ぎゅっと力強く抱き締められた。


「…忘れるなよ?お前は俺のモンだ…朝も昼も夜も…な」

「っ…」

「他の男に色目なんか遣ったら…」

「遣いませんよ!」

「ふ…そうか」

私の耳元でクスリと笑う彼。
そのまま厭らしく耳の縁に舌を這わせてくる。


「ゃっ…」

(そんな事されたらまた…)


「…もうお前は俺じゃなきゃ満足出来ないはずだ」

「……、」

「俺が欲しくなったらいつでもここへ来い」

「っ…」

そう囁く彼の腕を振り払い、医務室を出る。
まだ火照っている体…
自分の体がどんどん作り替えられているようで怖い。
それなのに…


「………」

ついさっきまでの彼との行為が脳裏に焼き付いて離れない。
甘い香りに逞しい体…私を攻めてきたかと思えば、甘い言葉で惑わせてくる。


「…笹木?」

「…!」

廊下で立ち止まっていると、前から歩いてきた人物に声を掛けられた。
同じ文学部の山下くんだ。


「具合悪いって聞いたけど…平気?」

「っ…う、うん…医務室で休ませてもらったからもう大丈夫!」

「そう?まだ少し顔赤いみたいだけど…」

「ぁっ…」

伸びてきた手が私の額に触れる。
たったそれだけの事で、まだ体が敏感になっている私はあられもない声を出してしまった。


「っ…、笹木…?」

「ご、ごめん!ホントに大丈夫だから!」

恥ずかしくなってその場から走り去る。

(もうやだっ…)

絶対山下くんに変に思われたよね…?

その日私は、彼の顔をまともに見る事が出来なかった。
そんな私に、彼が複雑な想いを抱いているとも知らずに…



*
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