第11章 スタートライン
そう言えば環くんが言ってたっけ。
環「これスゲー柔らかくて、こうやってギューッてしてんと、なんかマリーをギューッてしてるみたいだな」
···とか。
それを聞いた一織くんが、女性に例えるなんて失礼ですよ、って。
そう言いながらも一織くんだって、ほんのり顔を赤くしてたけど。
それって、環くんの言葉で一織くんも想像くらいはしたって事だよね?
ふわふわで、柔らかくて。
両手にギューッてしたら、壊れてしまいそうな感触で···
何気なく環くんと同じポーズを作りながら、こっそりとそれを思い浮かべてみる。
『逢坂さん···そんなにギューッてしたら、苦しいです』
「ごめんね···でも、なんだか心地いい感じがして···」
『じゃあ···あと少しだけですよ?』
想像のな中の愛聖さんが、僕を見上げて恥ずかしそうに笑う。
えっと···ちょっと待って、僕の想像力!
ハッと我に返って、熱くなる顔をパタパタと扇いで湧き上がってしまったイメージを遠くに追い払う。
何考えてるんだよ、僕は。
大「ソウ···おまえさん、さっきからなにしてんの?」
大和さん?!
「べ、別に僕はなにも!」
ひょい、と顔を覗かれて慌てて大和さんから距離を置く。
大「ふ~ん?ま、オレにはソウが何を想像してたのかだいたい予想はつくけど?···頭の中で、恥ずかしがってた?」
!!!!!
「ち、違っ、違います!僕は別に愛聖さんを想像してなんか!」
大「アレアレ~?お兄さんは別に、愛聖が···なんて、ひと言も言ってないんだけどなぁ?」
ニマニマとする顔で僕を見る大和さんを見て、しまった···と思っても既に遅く。
大「タマはそういうトコ、ある意味···得してるっていうか?子供っぽいとかそういうんじゃないけど、ガタイはよくてもいい意味で自分に素直っていうか···オレたち大人組には強敵だよな?」
な?って言われても···
黙り込む僕の頭をぽんぽんっとして、大和さんは環くんにお兄さんにもぬいぐるみギュッとさせろ~?と言いながら行ってしまう。
なんだか···僕から見たら大和さんだって、環くんと変わらない部分があるようにも感じるんだけどな。
そんな事を思いながら、環くんとじゃれ合う大和さんを···ずっと見つめていた。