第5章 ※三角形 case3※
留まれる内に離れないと、自分が辛い思いをする。
もし、付き合っても結婚出来なかったら、プロポーズまでしてくれた秋紀を捨てた事を後悔する。
「もうこれって、運命だろ。さくらは、俺と付き合った方がいーって!」
続けられていくリエーフの話に、心が侵食されていくのが怖くて、下を向いて首を振った。
お断りの意思表示のつもりだ。
「…さくら、フるなら俺の顔見てフって。」
流石に意味は伝わったみたいだったけど、納得はしてくれない。
顔を見たら、お断り出来る気がしなくて、固まってしまった。
「出来ないだろ?それ、さくらが俺の事、好きだからだ。」
自信たっぷりな言葉を、否定が出来なかった。
リエーフと居ると、気持ちが落ち着かなくなる。
その眼に、声に、囚われて、身動きが出来なくなる。
誰かに、それが恋愛感情だって言われたら、認めてしまいそうなくらい、ドキドキしている。
でも、こんな話をしていても、秋紀が頭をチラついて。
別れる事を決めきれない。
どちらと、一緒に居たいのか。
生きていきたいのか。
自分の事なのに、答えが出なかった。