第2章 Please give me...
「すまない、寂しい思いをさせてしまったようだ…」
「そんなことない。私が、何も言わなかったから」
「いや、察することが出来なかった私が」
「違う、エルヴィンは悪くない…!」
「君こそ、非はないじゃないか」
「「ぷっ」」
顔を見合わせ、同時に吹き出す二人。
「…ふ。切りがないな」
「ほんとだね」
そうは言ったが、いつまでも続きそうな押し問答は、まるで示し合わせたかのように、ごくごく自然に終わる。
「それにしても、なんて素晴らしいご褒美だろう…」
エルヴィンは改めてナナバを抱きしめる。
彼女から伝わってくる体温は実に心地よく、溜まりにたまった疲れも不安も、すぐに消えてしまいそうだ。
「…エルヴィン」
「なんだい?」
「…あの、…、もう一つご褒美、いらない?」
「何だろう…、もし貰えるならとても嬉しいな」
(…っ、恥ずかしい……)
(でも今日なら、今なら…)
ナナバは真っ直ぐにエルヴィンを見つめる。
「どうした…?」
暗闇の中、表情、仕草、それらをはっきりと確認することはできない。
だが…
「見ないで、絶対に」
そう言ったナナバから、何かを決意した雰囲気をエルヴィンは感じとっていた。