第2章 砂漠の月71~150
「月子、楽しめたか?」
「うん」
「市、髪が乾いておらぬではないか」
「うん、時間一杯まで湯を楽しんじゃったから」
どちらも待っている間の無表情は消え去り、月子と市に甘い笑みを浮かべ話しかけている。
手は荷物を受け取り自分の物と纏めて持ちながら空いた手で腰を引き寄せている。
「月子もか?」
「うん、部屋で乾かせばいいかなって」
「ならば早く戻るぞ。風邪を引く」
「はーい」
諦めの悪かった女性たちも全く眼中に入れて貰えてなかったのを漸く悟り、悔しそうにしながら去っていくが誰も気付かなかった。
集まっていた仲間たちもそれぞれ自分たちの部屋に戻って行った。
翌朝、朝食を摂りに集まった女性陣は昨夜の話になり月子の髪を晴久が、市の髪を元就が乾かしたと聞いて呆れたとかなんとか……。