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砂漠の月

第2章 砂漠の月71~150


夜着ていた振袖は畳んで多当紙に包んだものを風呂敷にまとめてある。大きな荷物は晴久が手に持ち、反対の手で月子と手を繋いで近所にある毛利の家へと行く。
チャイムを鳴らすと既に帰っていたらしい母親が顔を出した。気恥ずかしいと思いながらも新年の挨拶を済ませ、なぜか晴久は父である弘元にどつかれていたが月子はよくわからず首を傾げる。
興元がそんな月子を撫でながらお年玉を渡してくるので月子の意識はそちらへと逸れる。

「おい、手を出したなら浮気は許さん」
「するわけねぇだろ、いてっ、痛いって!」
「……せっかく娘が出来たと思ったのに」

そんな会話がされていることには全く気付かない月子は、会話を終えると興元が作ったという赤飯をおにぎりにしたものを二人分もらったので晴久に持っていく。
月子が近づく頃にはその辺りの会話は終わっており、赤飯を受け取った晴久は苦笑しながらも何事かを悟って美味しくそれを食べて織田に挨拶に行ってから出かけてくると伝え振袖の入った荷物を預けると毛利の家を出た。
織田の家でも織田理事長と市の3人の兄たちにかいぐられ、やはり晴久は何故か色々とこそこそと突っつかれてから出かけることになり僅かに疲れた表情を見せた晴久に月子が顔を覗き込む。

「晴久さん、大丈夫?」
「ああ、平気だ。初売り行くか?」
「初売り? 行ったことないから見てみたいな」
「ん、じゃあ行くか」

晴久は心配そうな月子の表情にふっと笑みを浮かべると手を取ってデートへと繰り出した。
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