第2章 砂漠の月71~150
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思わぬ、シェフやスタッフ、他の客にも祝福されて、改めて自分がしたことに…ああ、自分で顔赤くなってやんの俺。
デザートを食べ終わりそろそろ帰ろうか、と会計をして外に出た。
冷たい風が頬を撫でて気持ち良い。月子と目が合って、互いにふっと笑う。
「あ、晴久さん」
「ん?」
「か、かがんで下さい、目も瞑って欲しい、です」
「?」
言われた通りにかがんで目を瞑る
何だろうか、と月子の気配が動くのを感じていたら、ふわりと暖かい感触に目を開ける
「ストール?」
「市先輩と一緒に作ったんです」
大判のストール、透かし編みが施された俺の色味を意識した深い赤。
手で撫でるとさらりとした手触りが嬉しい。
再び首に巻き付けて、うん暖かい
「ありがとな」
「喜んでもらえて嬉しいです」
「帰るか」
ストールと一緒に貰った香水の香りを楽しみながら月子の手を引いて家路を歩く
「俺の家に泊まってくか?」
「え、晴久さんの家?」
急に言ったら不審がられたか、特に下心は無いから。そう伝えると赤い顔でこくりと頷き
家に到着してから部屋に案内すると、緊張から少し俯き口数が少なくなって
あれ、俺何か不味い事したんだろうか。それとも誤解されたままなのか?
「あー、お茶飲むか?」
「あっはい!」
やっぱり緊張してるか、苦笑いで月子と話しながらテレビを眺めてたら
月子の意識がコックリコックリと船を漕ぎ始めたのを見て。
しょうがねえなぁ、と。月子を抱き締めてベッドに寝ころんだ。
んーー…月子が良い匂い。
「(あわわわ、晴久さんに抱き締められてる)」
晴久に抱き込まれて目が覚めた月子は、抱き締められたまま
寝息を立てる晴久の顔を見上げて
「(顔、本当に綺麗だな)」
つん、と晴久の顔に触れてから、ぎゅうっと抱き締めて月子は眠りについた。
「(何の拷問だ)」
実は起きてた晴久は悶々と過ごす羽目になったが。