第1章 前編 時の彼女と死の外科医
ユーリは王宮から落ちていった。
どこまでも、どこまでも、落ちていく感覚にただ目の前に広がる空を見ていた。
(…天界……次元……刀…)
ユーリは刀を召喚した。
両手は使い物ならずまともに持てなかったが、それでも一振りでいい。
血だらけの両手で刀を掴むと、ユーリは思いを込めた。
(私じゃだめなんです。お願いします、一瞬だけでいい…ローに力を貸してください)
ユーリは震える手で、力の限り空を斬った。
ユーリの一振りは、遥か上空で大きな歪となり、眩い光が漏れた。
その光はやがて大きくなり………1つの影が現れる。
ユーリはその姿を見て安堵すると、静かに意識を失った。
(……ありがとう。ローの傍にいてくれて……そして……すまなかった)
ユーリを包み込んだ光は、ゆっくりとユーリの傷を癒した。
そんなユーリを優しく抱き込む姿は、同じ金髪でオレンジ色の瞳を持ち、顔に独特のペイントを施している
コラソンだった。