第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
それ以上もう何も望まない
きっとあの日々は
幸せな夢だった
そう思おう。
切った電話で
固まった心
涙はまだ枯れないけど
明日には
また笑える
明日から、は
友達…として。
横になっても
眠れはしなくて
時間だけが過ぎて行く
朝練から参加するなら
いい加減寝ないと…
目を硬く閉じても
何度寝返りを繰り返しても
やっぱり眠れず
空は白んで来た
仕方なく始めるモーニングルーティーン
目の下のクマやばい…
顔色も最悪…
体調は考えたくもない
フラフラする身体に鞭打って
学校に足を進めると
「ゴラァァ!待て日向ゴラァァ!」
私の横を
影山くんが凄い速さで
通り過ぎて行く
いつもと同じ朝
体育館の前で
喧嘩する二人に近付き
『お……はよ』
声を掛ける
「おはよう!
今日はおれの勝ちだった!」
『そう…なんだ』
いつもと同じ
日向のテンションに
必死について行こうと
笑ってみるけど
日向の隣の大きな身体には
目を向けられない