第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
とうとう反論する力も失せて
黙りこくって俯いてると
「…あ、れ?
マジに取るなって…なぁ?」
「おぅ…ここは
"徹が悪いんだもん!"とか
突っぱねて良いトコだべ~?
無理矢理ヤッたの及川だし…」
イキナリ二人がアタフタと
フォローを始めた
『…ううん…私も悪い…
徹…に悪い事しちゃ…った…』
急に掛けられた甘い言葉が
余計に申し訳なくて
ジワジワと目の中に涙が溜まる
「うわぁ!ウソ!ごめん!!
泣かしたいわけじゃなくて!」
「そうそう!なんつーか
開き直れるくらい
及川相手に強くなれって
言いたかったわけで……!」
『そんなの無理ぃ…
今更どんな顔して
開き直るのよ…もう、許してくれない…よ』
とうとう零れて頬を濡らす涙が
「…なに、泣かされてんのさ」
不機嫌な低い声で
少し勢いを失くす
今の声…もしかして?
まさか、ね。
いやでも…
「及川!早い!
岩泉は何してんだよ!」
徹…なんだよね?