第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
あんな事があって
もう嫌だって思っても良いはずなのに
私は…やっぱり
『…うん』
徹が好きで
あんなの何かの間違いだって
信じたい。
頷いた私を確認して
「ヨシ、じゃあサッサと行こうぜ
岩泉はせっかちだから
こっちも巻いていかねぇとな」
「だぁな!
じゃあ後少し俺らに
姫扱いされてなさいね、キミは」
二人が速度を上げて家に突き進む
"姫扱い"にしては
結構乱暴な運搬ぶりに
少し酔いそうになりながら
到着した我が家
鍵を開けて中に入ると
「部屋に入ったら
及川に殺されそうだから
玄関(ココ)で良いよ」
「あらぬ疑いかけられそうだもんねェ」
二人は靴を脱がすその場で立ち止まる
『え?いや…いくらなんでもソレは…』
確かに徹以外の男の人を
部屋にあげるのは躊躇われるけど
わざわざ来てくれた人達を
玄関で立たせておくわけにも行かない
『リビングでお茶でも?
ほら、岩ちゃんも来たら
リビングでくつろいでたりするし…ね?』