第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
部室に人が居る気配はない
体育館、教室、廊下
どこを探しても
侑の姿もサクラの姿も
見当たらない
侑、まさかサクラと?
サクラ、まさか侑に?
昨日言われた"好き"を
頭の中でリフレインしながら
"私も"って繰り返して
屋上に駆け上がった
あの時すぐに追い掛けてれば
"私も好き"って叫んでいれば
「…サクラ、辛くても
お前を好きで居れば良かったんかな…
なんか…疲れた。
良い人…限界かも知らん…」
侑のこんなセリフを聞かなくて済んだのかな。
「侑くん…?」
「サクラ…ごめんな…
アカンわ、メッチャ好きやわ…」
「知っとるよ」
こんな二人を見ないで済んだのかな…
『…好きって…サクラが?』
こんな苦しい質問なんか
しないままで居られた…かな?
「「姫凪!?」」
振り返った二人
サクラの持って行ったお弁当は
『…ヤッパリ侑が…それ、貰ったんや』
侑が大事そうに持っていた